即戦力は3年もたない 組織を強くする採用と人事 樋口弘和

最近、いろいろと考えることがあり、新卒と中途のどちらがいいのか?
また、中途の人は何故、辞める辞めると言うのだろうかなど、悩むことが多かった。
そんな時にたまたま書店の棚で、見かけた本だった。

そうか!即戦力は3年持たないのか・・・っと思いつつパラパラと見た。
特に年収400万を超える人の共通点と言う項目に惹かれて、見てみた。
するとそれは仕事が出来るだろう人の特徴をうまく捉えている!そう思った。

よく考えると、新卒でどこかの会社に入り
普通に仕事をして、普通に得意な分野ができたら
人はどうなるか? 
普通に俺はすごいやつだけど、上司が認めない!
これは普通じゃないと思うんだろう(笑

だから、凄い奴の俺は転職すると思うんだろう。
転職を誘導する誘惑がいっぱいだから。(笑
もちろん転職斡旋会社もちょっと悪い。
転職する奴も辛抱がない。
どちらもある意味の資本主義の犠牲者だ(笑

さて、一言でまとめると

いろんな側面を書いているのだが
これは日本の中途採用や新卒採用について
つまり人材についての歴史書だと思う。

日本の人事制度や採用がどんな道を歩いてきたか
それにはどんな背景があったのか、それを知らないと
本当の採用について理解できないのではないかと思う。
それにはうってつけの一冊だ。

レバレッジメモだ。
P7「転職を考える人はステップアップのつもりでも、企業から見るとはじめから実質の有期雇用と割りきられた採用である場合も考えられます。」

営業現場でのコツは相手の立場に立つことだけど、これがわからなくて何度も何度も転職していたら、そもそも相手の立場がわかってない証拠ではないのでしょうか? それなら、更に次の就職は難しいと・・・・わかるんじゃ・・・ないかな?

P31「ぎりぎりの判断を求められてきます。」

私はいつもこれが一番重要だと思っている。
ぎりぎりの判断を行う時
まず、本人の問題として、腹がくくれる人か? 個人として、腹をくくれる環境にあるか?
次に、会社のみんながそれを応援できるか? 失敗した人を貶める文化では・・・そもそも難しい。
そして、会社全体として見ると、その理念や社風がその根本になければ、そんな人も来ないし続かない。

P83「朝から夜まで長い時間働くことで頑張っていると評価される会社は日本では未だ多くありますが。」

これは工場労働だった時代のなごりだ。日本は工場労働に環境が合わせすぎている。
学校の給食制度や部活など向上の労働時間中にいかに子供を面倒見るかで作られた制度だ。
イタリアではお昼ごはんは家に帰って食べるのだ。部活もないのだ。午後は学校は閉まるのだ。
だから、これからの労働は時間を金に変えるのではないから、これは考えなおさねばならない。

P94「優秀な社員が会社をやめないかどうかは、結局のところ、どんな上司のもとで、どんな仕事をするか、また将来のキャリア形成につながるかどうか」

そりゃ、そうだ。つまり、お金だけじゃなくて儲かるかどうかだ。
だから、辞めまくっているということは、それができていないということだ。
でもね。ここからは少し話が違うのだけど。いくら、誰が辞めても、それがその上司の評価ではない。
ここには書かないけど私個人としては別の視点もあるので、一概に辞めた人が多いからダメな上司という意味だけでは無いのだ。

P98「会社は社長の器以上に大きくならない」

そりゃ、そうなんだ。つまり、会社を大きくするには社長って自分の器を大きくしないといけない。
そんな修行をしている人達なのだ。儲けるためのアイデアなんか実は二の次だ。
人間として、ビジネスマンとして、どこまで器が大きいかが最後の最後の勝負となる。
だから、経営者ほど辛いけど、面白い仕事はないのだと思う。自分の器を自分で大きくする究極の仕事なんだ。

P111「面接官には・・・・第一に向上心がある人・・・・第二に客観的な人・・・・人の話がじっくり聞ける人」

向上心が無い人はそもそも昇進しないだろうけど、客観的かどうかは少し難しい。
自分から離れないといけないからね。次に人の話が聞ける人、つまり人が好きな人が適切だってことだね。
人が好きでないと人の話は聴けないからね。

P171「その程度のノウハウと経験を有している人材はたくさんおり、市場での希少性が低いため、結局、それ以上の給与の上昇が望めないまま、不満と転職を繰り返すのです。」

これが、30代前半辺りに多いのではないでしょうか。ちょうど一巡の仕事ができて。おれは凄い。おれはプロだと思っている。
けど、営業が出来る人、技術が出来る人、経理が出来る人、ちょとばかし資格があるひと、そんな人は世の中にたくさんいる。
この前にある人に話したけど、二つ以上の組み合わせのプロにならないと、そんな人は何処にでもいるのだ。

技術が出来てコミュニケーションが凄い人!
営業ができて、経理が出来る人!
経理ができて、技術がわかる人!

これは英語ができても、それだけで仕事がないのと同じなんだ。
英語ができて建築が判れば仕事がある。
英語ができて医療が判れば仕事がある。

そういうことだ。
だから、ちょっとできて思い上がっている30歳の皆さん(笑 それじゃあ駄目だ。なんども転職を繰り返してくれ(笑
そして、そんな30代をマネージしている40歳の皆さん(笑 それをアドバイスしてやれって(笑

P192「自分が一番可愛いと思っている人や・・・・改善を続けることなど決してできませんから。」

改善できない人は、自分が可愛い人なんだね。
だから、大きく見ると、それって自分をもっとも大切にできていない人ともいえるんだ。

P194「こういう時代に求められるリーダは、自分を捨てて組織全体の将来のために働ける人、つまり自分の評価を度外視して、自分の部下やチームの枠を超えた上位組織や会社全体の将来を考えられる人です。」

こんな人を育成することは出来ない。でも、会社にはこんな人が必要だ。
これに関してはコメントをしない。これを読んだあなたが自分で判断して欲しい。
実は、おもうんだ・・・
これはあなたの時間の捉えからの問題なんだ。
あなたは物事を考えるのに、どの単位で考えるの 1年なの? 10年なの? 100年なの? 10000年なの?(笑
そうだな・・・俺は100年かな(笑
1万年までは行けないわ(笑

さて、最後に
この本は悩んでいる20歳代後半の人や30歳代前半の人に非常に有効だ。
そして、人材で悩んでいる中小企業にも非常に参考になる。
私は昔から日本人の書いた本が嫌いで読まない。 それは内容が薄すぎるからだ(笑
でも、この本は儲かる。 儲かったよ。 私の中では200万は瞬間で儲かった。
樋口さん、ありがとうございます!

即戦力は3年もたない 組織を強くする採用と人事 (角川oneテーマ21)
樋口弘和
角川書店(角川グループパブリッシング)

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